2022年3月2日水曜日

▢▢2話 「災害に立ち向かうBCP」

地震等の災害の予見できない出来事は突然襲ってきて事業活動に多大な影響を及ぼします。

30年内に大地震が発生すると言われても、多くの人は『まだまだ時間的余裕がある』や『自社や自分は大丈夫』と言う根拠不明な都合の良い意識を持ってしまい(行動経済学の”正常性バイアス”)、そのインシデント(でき事)に対して“想定外だった”と言います。何度“想定外”と言う言葉を私達は聞いてきたでしょうか。

例えば温暖で災害も少ない神戸で誰が阪神淡路大震災を予測したでしょうか?そして誰もが全く想像できない事が起こりました。もしかすると天災や事故は30年後ではなく明日起きても不思議ではないのです。
天災等は無くすことはできませんが、BCPにより影響を軽減させることは可能なのです。

とは言え発生するかどうか不明な事に経営資源を割けるか
当社の支援コンセプトでもある「(少なくとも)30年継続する企業作り」の一環として”事業継続”は重要な事項です。

BCPの簡略的定義を確認すると『最低限の事業継続かつ一定期間での事業復旧ができるように取りまとめられたマニュアルや手順等の文書』とありますが、これはあくまで結果でありBCPに取組む目的・意義は以下にあるのではないでしょうか。

➀社員の安全と生活のベースとなる企業の維持
➁サプライチェーンの一員としての責務対応
③CSRによる社会貢献
➃取引先の信用の獲得

特にオンリーワン製品を有せず下請的な立場が多い中小企業は、事業停止となれば取引元において入替とされ取引自体が無くなる脅威が高まります。

BCP作成の手順
上記の通り直接・間接的意義が理解できても、やはり人的経営資源に余裕のない中小企業においてはゼロからのBCP対応は考えただけでも気が重くなりますよね。しかし、国によるガイドラインやひな形が用意されています。これを参照しないことはありません。

人によりひな形ではいざと言う時に役に立たないと言う理由で否定される場合もありますが、まずは作ってみることが大切です。そしてPDCAのマネジメントサイクルを回すように毎年度ブラッシュアップを必ず行うことが重要です。小さく生んで大きく育てることです。

さて紙面の都合で手順の一部のみを下記に示します。
①業界別などのガイドラインを参照しBCP全体を俯瞰する。
リスクの洗出し:リスクには様々なものがありますが、当然全てに対応はできません。
リスクを評価 :横軸に発生頻度、縦軸に損害の大きさを4段階で設け16個のセルにリスクをプロット。“頻度が少ない非日常的”リスク対応の方がBCP的には重要と言えます。
重要業務の洗い出し:”事業影響度分析”により重要業務の洗い出しと目標復旧時間の設定や復旧作業のイメージまとめ

BCPの有効化のためのポイント
▢経営課題として経営層がリーダーとして取組み従業員にも参画させ意識・共有化を図る。
▢限られた経営資源の元で復旧すべき業務の優先度と復旧許容時間・レベルを割り切る。
▢BCPを作った後が本当の意味での始まりで、システムとしての構築に結びつけていく。

弊社では、
持続的企業経営[SEM]の実現を、BCPサポートを通じ実現いたします。
BCP作成・アップデート・更新のサポート、あるいはセミナーや研修等で啓発活動をしています。
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