2022年12月17日土曜日

▢▢13話 BCP と ITセキュリティー

 BCPと言えば・・
”自然災害”を直観的に思い浮かべる人も多いでしょうが、事業中断につながるのであれば自然災害以外のインシデント(できごと)にも留意が必要です。多岐に渡るのですが、今号ではいずれの企業にも起り得る
ITセキュリティーによる事業継続への影響ついて事例を添え寄稿します。

今回の事例ではどのようなことがおきたか
大阪急性期・総合医療センターにおいて10月31日にシステムに異常が発生し、翌1日から新規の外来診療が停止となりました。さらに
電子カルテと会計システム等が連動していたため、診療報酬の算出や請求業務も行えず収入を得られない状態に陥りました。その後、バックアップデータを活用し11月17日から診療を順次再開。ただ完全復旧は来年1月頃になるとの発表でした。今後多大な影響が予想されます。

原因と感染源
原因はコンピュータウィルス「ランサムウェア」への感染で、その感染ルートは外部の取引先である
給食委託事業者を経由したVPNの脆弱性をついた侵入の可能性が高いと発表されました(このような攻撃を サプライチェーン攻撃 と言います)。
 
医療機関は命に関わるため事業(診察)の停止には非常にナーバスであり、対策もしています。しかし今回のように取引先
中小企業が『踏み台』となり、自社も感染・拡大する可能性があることを理解しておくべきです。

なお踏み台となった
給食委託事業者はどうなったのでしょうか?取引中止?気になるところです。

事前対応のための脅威は何かを整理しておきましょう
IPA(独法 情報処理推進機構)により2021年におけるITセキュリティーにおける”10大脅威”が公開されています 。その脅威としては第1位の「ランサムウェア」をはじめ
外部からの攻撃が多いのですが、5位に「内部不正による情報漏洩」があげられています。
 
[参考サイト https://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2022.html]

また「ランサムウェア」の感染経路別では、「VPN 機器の脆弱性を悪用した侵入」による経路が54%を占め、間接的にはコロナ→テレワークの増加に原因があるとのことです。また古典的な「添付メール」からの感染も少なからずあります。

ランサムウェアへのいくつかの対策
代表的対策をピックアップしています。企業の置かれている状況で変わります。
①バックアップ
 重要度の高いデータについてはバックアップと共にオフラインで保管する
②ユーザー権限の厳密化
 ユーザーアカウントを再確認し特権ユーザーの絞り込みやルールを見直す
③ネットワーク機器の更新
 OS 等の脆弱性パッチ更新、特に長期間使用しているVPN機器の設定見直し
④従業員教育
 ユーザー認知訓練を実施し、安易なダウンロードやサイトアクセスさせない
⑤その他
 ウィルス対策ソフト、メールスキャン、USBメモリーの使用規制、
 むやみにリンクをクリックしない、安易に添付ファイルを開かないなど

BCPにおける取組みの範囲
ここまでお読みになられた感想は「BCPのインシデントは多様であり、その事前対策も多岐にわたり、すべてに対応するのは無理。」ではないでしょうか?その疑念は正しいと言えます。何を守るか割り切りが
ある意味必要となります。
 

弊社BCPガイドラインのSTEP2では、中核事業の選択と重要業務、経営資源の配分に関しての記載があります。最低限これを死守できれば事業の継続から早期復旧につなげることになるのです。


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BCP作成・アップデート・更新のサポート、あるいはセミナーや研修等で啓発活動をしています。
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2022年11月1日火曜日

▢▢12話 韓国の事故を教訓に(胸骨圧迫による心肺蘇生)

■ 10月29日(土)に起きた韓国でのハロウインの事故でたくさんの方が圧死で亡くなりました。この場を借りて謹んでご冥福をお祈りします。
事故発生当初は「将棋倒しで50人心肺停止」と報道されていました。しかしニュースの映像では胸骨圧迫(心臓マッサージ)を施しながらも残念ながら154名の方が亡くなりました。

■1995年の阪神淡路大地震では、亡くなった約5500人のうち、77%にあたる4224人が家屋や家具の倒壊による圧死でした。このほかにも、2005年のJR福知山脱線事故では、約100人が亡くなりましたが、このうち先頭車両では圧死が多かったといわれています。圧死とは「胸が圧迫されると全身を循環している血液が心臓に戻りにくくなり心臓に必要な酸素と栄養が供給されなくなるため、心停止が起こること」です。
このように数百人の人が一度に亡くなる事故はそう多くないでしょうが、ほかにも企業において労災事故でも圧死のケースは珍しくなく、決して稀なものではないそうです。(BCP的にはいつでもどこでも起きる可能性があるのです)

■今回の韓国での事故では多くの救助者にあっては胸骨圧迫と言う作業が初めてで、”見よう見まね”であったと思われます。しかし心肺停止した人を医療機関まで移送するまでの間の胸骨圧迫(心臓マッサージ)により救われる命もあります。それができなかったことも被害者が増加した原因ではないでしょうか。。。

■もし自分の属する組織(事務所・工場)で突然の事故の発生や多数のけが人が出たり、キーパーソンが倒れた場合を想像すると、的確な行動がとれるか不安があります。
当然これらも”事業継続”に影響してきます。特に危険物を扱う企業の場合は最悪を想定した取組が必要です。
被害が少なければ事業の停止期間がより短くなる可能性があります。

■事前の防止は大切ですが、起きてからの対応も重要です。今回のような場合、まず事前に下の手順を知っておくことは緊急時の余裕ある行動に結びつきます。その上で実地の訓練をしましょう(慣れていないと正直結構戸惑います)

なお胸骨圧迫法については”youtube”で多くの動画がアップされていますから参考にしてみてください。手順は以下の通りです。とっさにできますか?

1.周りの安全確認と確保(2次被害の防止)
2.対象者の意識の有無を確認
3.協力者を集め、救急車・AEDの手配
4.対象者の呼吸確認
5.胸骨圧迫の実施
6.AED実施


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2022年10月11日火曜日

▢▢11話 防災リーダー研修に参加

 月度の更新が遅れました。10月の初めに兵庫県が開催する”防災リーダー研修”に行ってきました。会場は三木市(ネスタリゾートの近くらしい)にある三木総合防災公園内の兵庫県広域防災センターです。この施設では、全県域をカバーする広域防災拠点で、地域の防災力を高めるための人材育成を行っています。

昨年までは日帰りの12日間でしたが、今年8月に宿泊施設が完成したので泊まりで2日間を10,11,12月に開催します。合計6日間 朝から夕方までみっちり講義と実践です。今回の参加者は定員満員の50名でした。

■この研修の終了要件は、6日間の研修を全て受け、最終日に補完レポートを提出し、別途消防署の実施する「救命講習」受講しておくことです。終了すると「ひょうご防災リーダー」の公的称号が与えられ、日本防災士機構の認定する「防災士」の受験資格が与えらえます。
  

■参加者の年代や目的は様々ですが、現場に従事している人が多いようで経験談を聞かせてもらうことも研修意義になります(初日の夜は疲れていたので寝てしまいましたが)。私はBCPへの対応力アップの一環として特に普段なかなか経験できない実地体験を期待しています。

さてBCPは企業継続の戦略的事業計画の一つ。
通常の事業計画とは少し視点が異なり実効性のある取組みとして、”どのように企業が生き残るか”を従業員に投げかけ、参画意識をアップする効果が働きます。

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2022年8月31日水曜日

▢▢10話 防災の日と”ジギョケイ”

■9月1日は防災の日です。この日が防災の日となったのは、1923年(大正12年)9月1日(土)に発生した関東大震災にちなんだもので、関東大震災の教訓を忘れない、という意味と、この時期に多い台風への心構えという意味を含めて、1960年(昭和35年)に、内閣の閣僚了解により制定されました。
 
この日を含め1週間は「防災週間」とされ、台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波等の災害についての認識や理解を深め、それらの災害に対処する心構えと備えをするための日です。

■またBCPにおいて防災(減災)は基本活動の一つであり、”人命保護”と”事業継続”は最大のテーマとなります。当ブログでも何回かBCPへの取組について述べてきました。
事業継続計画(BCP)というワード自体は、徐々にですが広がりつつありますが、いまだ「敷居が高い」と考える中小企業経営者の方が多いのも実際でしょう。同時にその有用性についても理解が深まりつつあります。

■要は長短あるのですが、その短所(手間、難しいなど)を補うべく、国は「中小企業強靱化法」による「事業継続力強化計画」(ジギョケイ)の策定をサポートする「事業継続力強化支援事業」を展開しました。
 
ジギョケイは「事前対策の検討と実行」が目的なので、4~5ぺージ程度と内容もシンプル。そして、中小企業基盤整備機構による支援体制が充実していることで、マンパワー等が不足している中小企業も計画づくりに取り組むことができます。
さらに取り組みを深めたい企業には「ジギョケイ」からBCPへと取組んで良いでしょう。

ジギョケイの詳細に関しては、中小企業基盤整備機構” の該当ページでお確かめください。

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2022年8月9日火曜日

▢▢9話 「BCPガイドライン」をVer2.0に更新

■8月7日に弊社作成 ”BCPガイドライン” を更新しました。更新は1年毎に予定しており昨年にVer1.0を発行しました。

■表紙に記しているキャッチコピーは、 ”できる未来のこと(BCP:事業継続計画)”です。

■このガイドラインは解説と使用様式を見開き左右ページに配置する形式を維持しながら、内容を随時充実しています。

BCP策定時には、作業がどの位置にあり、何のための作業なのかを迷わないようにする役割を持たせています。またBCP・防災の関連情報も随時充実させています。

関連、付随情報も含め120ページと結構な文量になっていますが、目次をはじめフロー図なども活用し系統立てて分かり易くしました。
初めて取組む人にも理解し易いと思います。

当冊子は非売品ですがBCP策定サポートの際の資料の一部として提示させていただいております。


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2022年8月7日日曜日

▢▢8話 「今できる未来のこと BCP(事業継続計画)」

■先週は、新潟県を中心に大雨、それによる洪水等で多くの人や企業が被災しました。被災された方々や企業様には一刻もはやく今まで通りの生活や事業活動に戻られることを祈ています。

■今年に入り頻繁に耳にする”線状降水帯”を初め、たしかに災害が発生する仕組み・プロセス、そのレベルも以前とは異なっているようです。今まで多くの時間や費用は、”災害を防ぐ(防災)”と言う点に重点を置いてきました。堤防や砂防ダムの建設、強固な建物化などです。多くのそれらは役に立っている事でしょうが、最善と思ったものが災害を防げないことも多々ありました。その度に「想定外だった」と言われるのです。結局人と自然とのいたちごっこなのですが。

■このように災害の量・質・仕組みの変化に対応し、人も今までから変わる必要があるのではないでしょうか。災害を”ゼロ”にする取組みではなく、一定の被災を想定・許容しつつ”できる限り災害を減じる(減災)”です。この減災には、2次災害も含まれ、人の命を最優先する取組みです。

■減災には、例えば洪水を防ぐことはできなくとも、”地下のボイラー”を移動することで、洪水の影響を避ける事ができる可能性があります。また避難の際も互いに”声の掛け合い”をすることで多くの人が救われた実例があります。企業においても、普段から周辺企業や地域住民との関係性を構築しておけば従業員の人命救助、資源の貸し借りなどで復旧に貢献するでしょう。

「何から、何を守り、いつまでに復旧するか」は自社のみならず取引先にも重要事項です。

今できる未来のこと(BCP)


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2022年7月20日水曜日

▢▢ 7話「BCP(事業継続計画)とは、防災+減災+復旧」

従来からの「防災」は災害を防ぐことですが、人の英知では100%の対応は不可能。想定を行ってはみたものの結果として「想定外だった」といつも言われることが多いようです。

そこで全ての災害ではなく消失しては困る”ボトルネック”事業に絞り込み、ある程度の被害も許容しつつ全体としては被害を最小限に抑える”減災”が大切。

そこから”防ぐ・減ずる”の次の発想として、”復旧”に取組む体制が求められる。これがBCPであり、単純な防災との違いです。

防災+減災+復旧の具体的事例
このような事例があります。A社は海沿いの埋め立て地に立地する企業。B氏は社長の命で災害に対応する取組責任を任ぜられました。優秀なB氏は災害を防ぐ様々な施策を行い、わずか半年の短期間で完成させました。あとは願わくばこのまま災害が発生しないこと、であった。

しかし”災害は忘れた頃にやってくる”の言葉の通り、突然の地震が発生し、津波そして液状化現象が生じました。会社は少しの被災を受けたが、ほぼ”防災”が有効に働いた。しかし、会社は2週間近く事業活動がストップしてしまった。なぜか?

液状化現象により物流機能が働かくなったからです。また埋め立て地特有の理由で社員が出社できない事態に陥ってしまった。B氏は事業所の”防災”には取り組んだが、事業継続を妨げる2次災害の想定やそこからの復旧活動を行うことで、”いつもと同じ事業活動”が確保できたはずです。


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2022年7月2日土曜日

▢▢6話「事業継続計画(BCP) と防災計画の違い」

防災活動=BCPと理解している場合が少なくない

論から申し上げると、
防災計画は「災害原因究明とその対策を施すことで、人や建物を守ること」が重要、事業継続計画(BCP)は「サプライチェーンを含めて中核事業の中断を防ぎ、かつ復旧に向けた取り組みを行うこと」が重要となります。

確かに厳密な意味での”BCPの発動”は重大なインシデント(出来事)に至った場合に限られているので、実際はそれ程頻繁に発動されるものではありません。多くの関心が勢い“防災計画”に向くのも当然のことと言えるでしょう。その結果、防災計画の色が濃いBCPができあがる場合もあります。

■事業継続計画(BCP)だからこそ、“戦略性”が求められる
もう一つ重要な事は、企業が災害から生き残り続けるため、BCPには戦略的要素が求められると言う事です。たとえば全ての事業に均等に対応することは経営資源の限界から見ても不合理であり、事業のトリアージと言う戦略性が必要となります。

■共通の基本的目標は「人命の安全確保・物的被害の軽減」
いずれにしても忘れてはならないのが、「人命の安全確保・物的被害の軽減」であり、BCP策定における基本方針の根幹となるものであると言うことです。

兵庫県では、台風シーズンに備え「高潮氾濫発生情報」の運用が始まりました。
沿岸部の工場が立ち並ぶエリアなどでゼロメートル地域が多いので兵庫県CGハザードマップで是非チェックしておいてください。

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2022年6月27日月曜日

▢▢5話「コロナウィルス感染症対応ガイドライン」

 コロナウィルス禍による緊急事態宣言への対応

この厄災で中小企業・小規模事業者をはじめ多くの企業が深い傷を負いました。ことわざの「喉元過ぎれば熱さを忘れる」であってはならないはず。今こそ“備え”を再検討すべきです。
 
  
この“備え”は無駄になっても構わないのです。「事業継続計画(BCP)」の一環として企業の姿勢、取組みを明らかにして行きませんか?

■多くの中小企業・小規模事業者ではBCPについて手付かずです。では何から始めて行けばよいでしょうか。BCP作成の拠り所となるコロナウィルス禍の「業種別ガイドライン」のリンク集が令和4年6月21日に公表されています。https://corona.go.jp/prevention/pdf/guideline.pdf

元々「ガイドライン」とは、大まかな指針、指導目標を指します。「指針」というのは方向性のことで、抽象的な内容が書かれていることが多いです。
類似した用語には「ルール」や「マニュアル」がありますが、ガイドラインは守らなくても罰則などはありませんが、ルールは「守るべきもの」なので、破った場合は罰則があることが多いです。マニュアルは「作業手順をまとめた冊子」というものを指すことが多いです。
 
このようにBCP作成の際は業界内での共通する「ガイドライン」を基本としながら、個別企業毎に自社に沿った「ルール」や「マニュアル」で肉付けしていきます。
 
では実際に例として製造業におけるガイドライン(一部抜粋)を場面ごとに確認してみましょう。

(1)感染予防対策の体制の構築については
まず経営トップが率先し、対策の策定・変更について検討する組織的体制を整えることです。
 
(2)健康確保については
出勤前の体温チェックや勤務中の体調不全のルール化、自宅療養中の健康状態の確認方法(請負労働者や派遣労働者についても同様の扱い)
 
(3)通勤においては
管理部門などを中心にテレワーク、時差出勤等公共交通機関の混雑緩和を行う。公共交通機関を使わずに通勤できる従業員には通勤災害の防止に留意しつ検討
 
(4)勤務においては
ソーシャルディスタンスを確保できる作業空間と人員配置について最大限の見直し。
・始業時、休憩後始業時等の定期的な手洗いの徹底
・マスクの着用
・一定時間毎の換気
・ロッカールームで“3密”防止の仕様と時間帯の設定
・朝礼や点呼などは、小グループ単位で実施
・工程区域を整理(ゾーニング)し、区域間の往来をしない
・シフトをできる限りグループ単位で管理
 
(5)休憩・休息スペースにおいては
・共有する物品の定期的な消毒
・入退室の前後手洗いの徹底
・一定数以上が同時に休憩スペースに入らないように工夫
・食堂などで飲食する場合は、時間をずらす、椅子を間引く、対面で座らないように配慮
 
(6)トイレ
・便器の清掃消毒
・トイレに蓋がある場合 蓋を閉めてから汚物を流すよう表示
・ドライヤーや共通タオルは禁止し、ペーパータオルを設置
 
(7)設備・器具
・生産設備のレバーなど作業者が触る箇所について定期消毒
・工具については共有を避け、共有する場合は定期的消毒
・ドアノブ、 スイッチ等の共有設備は、 頻繁に洗浄・消毒
・ゴミはこまめに回収し、鼻水等のゴミはビニール袋に密閉
 
(8)事業場への立ち入り
外部関係者の立ち入りについては、必要性を含め検討し、立ち入りを認める場合には当該者に対して従業員に準じた感染防止対策を求める 。

※設備 ・器具の消毒は、次亜塩素酸ナトリウム溶液 やエタノール など、当該設備・器具に最適な消毒液を用いる。

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2022年5月2日月曜日

▢▢4話 「BCP(事業継続計画)の構成」

BCPは、防災と”似て非なるもの”、とご説明しました。
それではどのように異なるのか、その構成図を参照しつつ確認して行きたいと思います。BCPは、防災と”似て非なるもの”、とご説明しました。それではどのように異なるのか、その構成図を参照しつつ確認して行きたいと思います。

      弊社作成「BCP策定ガイドライン&様式集Ver1.0」から抜粋
 
1.STEP10まであり、範囲が広い。これは、BCPの戦略性を重視し、継続的な取組みを重視しているからです。
 
2.地震等の自然災害だけでなく、人為的なインシデント(できごと)も対象となっている。
 
3.自社のみならず外部の取引先や仕入先、地域との関係性も視野に入れている。
 
4.”防災”は結果からのリカバリーであるが、”BCP”は中核事業の継続性を重視し、早期復旧を視野に入れている。
 
5.BCPはマニュアルなど文書化し、全員が取組み易い。

6.対応策で終了とせずに訓練等の教育体制を組込んでいる
 
7.結論として、戦略性・業務改善・教育・組織体制の整備に貢献する。”防災”と共通するところもあるが自社の経営力向上の取組みである。

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2022年4月2日土曜日

▢▢3話 「防災気象情報と避難行動」

2021.5.20気象庁による大雨に関する情報「警戒レベル」の運用が改訂されました。と言うのも今まで警報レベルの表現方法がまちまちであったり、本当にどう行動すれば良いのか分かりにくかったと言う意見があったからです。

そこで国は、危険度や住民が取るべき行動を端的に伝え住民の避難行動につなげることをねらいとして、防災情報を5段階の警戒レベルに分けることにしました(下図)。また避難の情報を出す自治体も準備が整ったところから順次、運用を始める予定です。

■大雨警戒レベルのポイントは、
レベル1
具体的には気象庁のHPにある「早期注意情報」を見て予測することになります
レベル2
大雨警報等が発表されたらハザードマップで危険エリアを改めて確認し、避難場所や避難する経路を確認
レベル3
高齢者や体の不自由な人が避難を始める段階
レベル4
土砂災害警戒情報や氾濫危険情報、自治体から避難指示や避難勧告が出され、高齢者だけでなく対象地域の全員が避難する段階です。まだレベル5が残っている等と思ってはいけません。避難場所へ移動するとかえって危険な場合には、近くの安全な場所や、建物内のより高い場所等で身の安全を確保してましょう。
レベル5
すでに「災害発生」している状況で、このレベルで避難しても手遅れになるおそれがあります。レベル4の段階で避難することが重要です。

■「喉元過ぎれば・・・」、あるいは「自分は、会社は大丈夫。無関係。」と思いこむ(思いこみたい)傾向が見られます。実際に、ある企業では、確かに過去数十年、川沿いに事業所を構え氾濫に合うこともなかったのですが、1階まで水没する災害にあい初めて他人ごとでないことを実感すると共に、膨大な損害も発生しました。一過性の出来事としてすますか、災害の繰り返すリスクがあるかを考え行動するのは企業トップの役割です。

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2022年3月2日水曜日

▢▢2話 「災害に立ち向かうBCP」

地震等の災害の予見できない出来事は突然襲ってきて事業活動に多大な影響を及ぼします。

30年内に大地震が発生すると言われても、多くの人は『まだまだ時間的余裕がある』や『自社や自分は大丈夫』と言う根拠不明な都合の良い意識を持ってしまい(行動経済学の”正常性バイアス”)、そのインシデント(でき事)に対して“想定外だった”と言います。何度“想定外”と言う言葉を私達は聞いてきたでしょうか。

例えば温暖で災害も少ない神戸で誰が阪神淡路大震災を予測したでしょうか?そして誰もが全く想像できない事が起こりました。もしかすると天災や事故は30年後ではなく明日起きても不思議ではないのです。
天災等は無くすことはできませんが、BCPにより影響を軽減させることは可能なのです。

とは言え発生するかどうか不明な事に経営資源を割けるか
当社の支援コンセプトでもある「(少なくとも)30年継続する企業作り」の一環として”事業継続”は重要な事項です。

BCPの簡略的定義を確認すると『最低限の事業継続かつ一定期間での事業復旧ができるように取りまとめられたマニュアルや手順等の文書』とありますが、これはあくまで結果でありBCPに取組む目的・意義は以下にあるのではないでしょうか。

➀社員の安全と生活のベースとなる企業の維持
➁サプライチェーンの一員としての責務対応
③CSRによる社会貢献
➃取引先の信用の獲得

特にオンリーワン製品を有せず下請的な立場が多い中小企業は、事業停止となれば取引元において入替とされ取引自体が無くなる脅威が高まります。

BCP作成の手順
上記の通り直接・間接的意義が理解できても、やはり人的経営資源に余裕のない中小企業においてはゼロからのBCP対応は考えただけでも気が重くなりますよね。しかし、国によるガイドラインやひな形が用意されています。これを参照しないことはありません。

人によりひな形ではいざと言う時に役に立たないと言う理由で否定される場合もありますが、まずは作ってみることが大切です。そしてPDCAのマネジメントサイクルを回すように毎年度ブラッシュアップを必ず行うことが重要です。小さく生んで大きく育てることです。

さて紙面の都合で手順の一部のみを下記に示します。
①業界別などのガイドラインを参照しBCP全体を俯瞰する。
リスクの洗出し:リスクには様々なものがありますが、当然全てに対応はできません。
リスクを評価 :横軸に発生頻度、縦軸に損害の大きさを4段階で設け16個のセルにリスクをプロット。“頻度が少ない非日常的”リスク対応の方がBCP的には重要と言えます。
重要業務の洗い出し:”事業影響度分析”により重要業務の洗い出しと目標復旧時間の設定や復旧作業のイメージまとめ

BCPの有効化のためのポイント
▢経営課題として経営層がリーダーとして取組み従業員にも参画させ意識・共有化を図る。
▢限られた経営資源の元で復旧すべき業務の優先度と復旧許容時間・レベルを割り切る。
▢BCPを作った後が本当の意味での始まりで、システムとしての構築に結びつけていく。

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2022年2月2日水曜日

▢▢1話 「24年前の忘れてはならない記憶の断片」▢▢

当ブログの開設に至り、1995年の阪神淡路大震災を思い起こしました。

先日の休みの日に東灘 のスーパー銭湯に行きました。 JR住吉の近くにあります。住吉神社の前を通った際にふと記憶が戻ったのです。

24年前の震災の際、時々自宅の様子を見るため避難先から戻ることがありました。当時復旧していた住吉駅で降り、その後歩きとバスを乗り継ぎ片道6時間かけて帰宅した記憶がありました。通常では1時間の道のりです。

そして3月11日は11年前の東日本大震災の日です。何かにつけて忘れないように記憶を留め、いざと言う時の備えをしておかなければと改めて思います。

2022年1月11日火曜日

ご来訪ありがとうございます。

 当ブログはアシストコンサルティングが寄稿している
 ”事業継続計画(BCP)” のブログです。

■きっかけは様々でしょうが、BCPについて何かしらの興味があり、当ブログにたどり着かれたと思います。当ブログではBCPに関する情報やでき事などを発信するために立上げましたので、お役に立てれば幸いです。

■さてBCPにはマイナス面やプラス面、両方があります。
マイナス面はBCPはその対象範囲が思う以上に広い事です。自然災害を初めとしてITセキュリティー、事故、情報漏洩等事業を中断させるリスク要因全てが基本的対象です。
しかし計画と言えど全てのリスクに対応可能な計画は作れません。計画をつくることが目的でないのに、目的化してしまい次のステップに進めないのでは本末転倒です。

■同時にその広さがBCPのプラスでもあります。”計画”を”戦略”と言う言葉に置き換えると分かり易くなるかもしれません。”事業継続戦略”です。おいおい後日の記事で投稿がありますが、企業を継続するには経営力のあらゆる要素を注ぎ込む必要があります。もちろん企業毎に強弱は異なりますし、一度に取組む必要はないのですが、BCPに取組んでいる内に人財育成・販売力強化・資金調達、取引先との信頼関係強化等の”戦略的事業活動”に結びついたと言う話はよく出ます。

■防災と復旧はBCPのコア部分であることに変わりません。まず自社においてリスク要因の整理と方針決定から少しずつ始めてみませんか。


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